わが子の「魂の力」を信じて
三歳児検診で「多動がある。」と言われ、子育てに不安を感じていたお母さん。しかし、幸福の科学の教えに出合ってから、息子さんのありのままを受け入れられるようになり、息子さんも集中して授業を受けられるようになった体験です。
井上 のぞみさん(仮名・東京都) 翔くん(仮名・小5)
翔の「多動」と少ない言葉に悩んで
長男の翔は、初めての子でした。私にとって翔は、キラキラ輝く「宝物」のような存在でした。
翔が一歳のころ、外で元気に走る姿を見て、愛しさと幸福感がこみあげ、この子を授かったことに感謝の涙があふれたものです。
期待も高まり、三歳で幼児教室に通わせ始めました。しかし、三歳児検診を受けた時、医師から「多動が目立ちますね。」と言われたのです。
同じ年齢の子に比べて、注意力散漫で、極端に動きが活発な状態を「多動」と言うそうです。私は大きなショックを受けました。
翔は言葉も少なく、私が「○○しなさい。」とパッと言っても、なかなか反応しません。その様子に、私はとても不安を覚えました。
そして幼稚園に入ると、翔はしょっちゅう問題を起こすようになったのです。
じっとしていられず、ウロウロすることに始まり、みんなで整列する時に、他のものに気をとられて逃げ出したり、水槽の中のきれいな熱帯魚を一日中見ていたり……。
幼稚園の先生から報告を受ける度に、私は「すみません。」と頭を下げていました。そのなかで周りの人に、翔のことを「わがまま」と思われたり、私のしつけ不足のように思われるのが、つらくてたまりませんでした。
わが子を正しく見ていなかった
翔は小学校に上がっても、教室でじっと座っていることが苦手でした。
言葉が少ないのも相変わらずで、国語の教科書を読ませても、たどたどしく、言葉も時々抜けていました。
私は、「どうしてこんなこともわからないの。」と、つい叱ってしまうことも度々ありました。
そんな一学期のある日のこと。
給食の時、嫌いなイチゴを頑として食べようとしない翔に、先生が「連絡帳に書きますよ。」と言うと、翔は「お母さんには言わないで。怒られるから。」と、泣いて訴えたというのです。
その話を担任の先生からうかがって、私は驚きました。
「今までこの子が、ものごとをわかっているかどうか不安だったけど、ちゃんとわかってるんだ。それを表現できる力もあるんだ。」
このことをきっかけに、「自分はいままで翔のことを悲観的に見すぎていたのではないか。」と思い始めました。
翔の「魂の力」を信じよう
翔が二年生の時、幸福の科学の書籍で、「子どもは、たとえ小さくても、一人前の人間であり、一人前の魂です。子どもの魂の力を信じ、神様から導きがあると信じてください。」と学びました。
この言葉が、私の心を変えてくれたのです。
「この子は永遠の生命を持った魂なのだ」ということが、やっと腑に落ちました。
子育ての不安や自責の念が消え、目の前がパーッと開けました。そして、心の底から「翔の魂を信じよう。」と思えたのです。
子供と共に一歩ずつ成長していく喜び
私の心が穏やかになり、ありのままの翔を受け入れるようになると、翔も大きく変わりました。あんなに言葉少なかった子が、「今日学校でね……。」などと、家でうれしそうにしゃべるようになったのです。
また、それまで気づかなかった翔の良いところが、次々と見えてきました。
楽しいことが大好きで、冗談を言って人を和ませられるところ。こちらが穏やかに言うと、とても素直に人の話を聞くこと。いったん勉強に集中し始めれば、わき目をふらずに勉強できること――。
一つひとつ発見するたびに、喜びが沸き上がりました。そして、確信できました。
「この子には、成長する力がある。だから、大丈夫。未来は明るい。」と。
私は翔のしつけや勉強面に、希望を持って積極的に取り組めるようになったのです。
授業中の態度については、私や担任の先生が翔に根気よく言い聞かせ続けた結果、三年生までには、じっと座って先生の話を聞くことができるようになりました。
勉強面では、算数は得意ですが国語は遅れていたので、三年生の夏休みから、私は漢字の練習を見始めました。
できなくても叱らないように気をつけ、少しでもできたら褒め、励ますようにすると、翔もやる気を出し、夏休みの間、毎日漢字プリントを続けることができたのです。
三年生から現在までの二年間の翔の成長ぶりは目ざましく、私も驚くほどでした。
勉強に熱意を示すようになり、しばしばうれしそうに百点の漢字のテストの答案を持ち帰るようにもなりました。
今では、子育てで新しい問題にぶつかっても、子供の個性に合わせて創意工夫することが喜びになっています。