長女のいじめ問題で学んだこと

 

ご近所付き合いのあるご家庭のお子さんが、

娘をいじめている――? 

そんな状況に直面したママが、

いじめ解決のために行動を起こした体験です。

 

柳瀬 希代子さん(仮名・岩手県) はるなさん(仮名・小3)

 



 

 

娘からの告白

 

今から1年前、長女のはるなが2年生になってしばらく経った頃のことです。お友達との関係がうまくいっていないと聞きました。

 

 

A子ちゃんに、話しかけても無視されたり、仲間はずれにされたり、歯の(きょう)(せい)器具を指して「口の中にクモ飼ってる。」と言われたり。時には、「あっち行け!」と怒鳴られると言うのです。

 

 

A子ちゃんは、毎日一緒に学校に通っているお隣のお子さんでした。

 

私は、娘の話を聞いても、世間で問題となっているような「いじめ」とは思いたくなかったし、よくあるからかいの延長上で、そんな大げさなものではないはず……と思っていました。

 

ご近所づきあいのことも気になり、しばらく様子を見ることにしました。

 

 

 

 

担任の対応に期待したけれど……

 

ところが、次第にはるなの様子がおかしくなってきたのです。

 

元気がなくなり、口数も減り、夜中に泣きながらうなされて寝言を言うように――。

 

 

娘の様子が心配になった私は、主人と相談して担任の先生にいじめの現状を訴えることにしました。

 

 

ちょうどこの頃、幸福の科学出版から出ている『ザ・リバティ』や『アー・ユー・ハッピー?』という雑誌に、いじめから子どもを守るための対策が掲載されていました。

 

私達夫婦は「いじめに関する詳細な記録をとっておく必要がある。」という記事を参考にして、今まではるながされてきたことを細かく書き出しました。

 

 

そして2学期の終わり頃、担任の先生に、それを渡したのです。

 

結果は、子ども同士の話し合いの場を設けただけでした。

 

 

 

 

じめ因は“嫉妬”

 

同じ頃、私は幸福の科学の支部で、支部長にこのことを相談しました。支部長は、私の話を聞いた後、こうアドバイスしてくれました。

 

 

「柳瀬さん。もしかしたら、A子ちゃんがはるなちゃんの家庭環境に嫉妬しているのかもしれませんね。」

 

 

A子ちゃんは一人っ子で、両親が共働きなので、学校が終わると祖父母の家に預けられていたようです。一方、はるなには姉妹がいて、専業主婦の私は日中も家にいます。そのことが(うらや)ましく見えたのかもしれません。

 

 

幸福の科学では、問題が起きたとしても、そこから何を学ぶかが大事であると教えられています。(いじめる側がもちろん悪いけど、私やはるなに何か学ぶべきことがあるのかもしれない。)

 

この頃の私はまだ、それを見つけることで解決できるのではないかと思っていました。

 

 

 

 

エスカレートするいじめ

 

ところが、状況はそんなに甘くはありませんでした。

 

なんと親友のB子ちゃんまでもが、「はるなちゃんとは遊べない。」とA子ちゃんに荷担(か たん)するようになってしまったのです。

 

 

仲間はずれにしていたかと思うと、いきなり二人から「あんたも何か話しなさいよ。」と言われ、仕方なく話をすると、「つまんない話。」とバカにしたり、怒鳴って指図をしたり。道路側を歩かされ、車が来た時にわざと押されて接触しそうになったりしたこともあったと言うのです。

 

 

はるなはご飯が食べられなくなって、学習意欲も低下し、たまにお漏らしをするようになりました。

 

私は、娘を抱きしめてあげることしかできませんでした。

 

 

世間体を気にして、相手の子に注意もせず、娘に辛い思いをさせていた自分自身に腹が立ってきました。

 

さらに、私自身、頭に浮かぶA子ちゃんの顔が私たち親子をバカにしているように感じ、自分の心境の悪さにハッとすることもあったのです。

 

 

心を落ち着けるために、私は反省とお祈りを繰り返しました。

 

 

 

 

ふりしって

 

もう、近所づきあいなど世間体を考えている場合ではありませんでした。

 

(娘のために勇気を出さなけれ―。)強く心に誓いました。

 

 

私は娘を連れて、まずB子ちゃんの家に行きました。

 

これまでのことをありのままに話すと、B子ちゃんは、その日のうちに手紙を持って謝りに来てくれました。娘は手紙を読み、涙ぐみながらもホッとしている様子でした。

 

 

私は、娘の涙を見て、「これでよかったんだ。」と確信できました。

 

 

 

 

私達は天使を育てているんです」

 

そして次に、意を決して、お隣に行きました。

 

娘がつらい目にあっているので、こうしたことが二度と起きないよう注意していただきたいとお願いしました。

 

 

ところ―、「うちの子が、そんなことするはずありません。」

 

A子ちゃんのお母さんは、まったく聞いてくれません。

 

でも私には、同世代の子どもを育てている同じ母親として、絶対に後には引けないという強い念いがあります。

 

 

私は、はるなが寝ながら泣いてうなされるほど傷ついていること、それでもA子ちゃんのことが大好きなのだということを話しました。

 

 

「今のままのA子ちゃんでは、いつか逆にいじめられる子になってしまうかもしれないんです。子どもはみんな天使なんですよ。その天使を私たち母親は育てているんです。」

 

私は、子どもの魂の大切さを真剣に何度も何度も伝えました。

 

 

すると少しずつ、A子ちゃんのお母さんの張り詰めていた様子が、まるで氷が溶けるように変わっていくのを感じました。

 

「…うちの子がいじめをしているなんて知りませんでした。誰も教えてくれなくて……。」つぶやくように言いました。

 

 

そして「このままワガママに育っていたら、大変でした。教えてくれてありがとう。そしてごめんなさいね。」と言ってくれたのです。

 

 

 

 

ども達の心をてあげたい

 

3年生になった今、はるなとA子ちゃんは仲良く学校に通い、一緒に遊んだり、おやつを作ったりと、いい関係が続いています。お隣とも良好です。

 

 

幸福の科学には「幸福の科学学園」があり、そこでは、学業はもとより、信仰を中心とした魂の教育を行うということです。私は、この話を聞き、たいへん感動しました。

 

 

わが子を含む同世代の子どもたちの未来を考えた時に、子どもの心を守ってあげられるのは、私たち親であり、大人であると思ったのです。

 

そのことが私自身の勇気の下支えになりました。だからこそ、ご近所づきあいを気にしすぎる弱さから抜け出すことができたように思います。

 

 

いじめ自体はとてもつらい経験でしたが、私たち家族は信仰という強い(きずな)のもとに、いじめに立ち向かうことができました。そして、私たち夫婦もはるなも一回り成長できたのだと思います。

 

 

これから先も、天使を育てる母として頑張っていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 



ヘルメス・エンゼルズ』では、

いじめに関する特集も掲載しています。

 

248号・特集「いじめなんて怖くない!!」

258号・特集「いじめも自殺も絶対にダメ!」

269号・特集「いじめからキミを守るよ!!」

281号・特集「いじめに悩むキミへ- キミは一人じゃない!」

バックナンバーは電子版でもご覧いただけます。



281号・特集「いじめに悩むキミへ- キミは一人じゃない!」