父との関係が子育てに

影響していると気づいた

 

娘に厳しく当たってしまうのは、父との葛藤に原因があった!

自分の過去を振り返り、父親の愛に気づくことで、

娘を心から愛せるようになった体験談です。

 

成瀬佳歩さん(仮名・愛知県) 

長女・奈々さん(仮名・11才)

 



私に似てくる娘……

 長女の奈々が二歳のころから、私はささいなことで奈々を叱るようになっていました。

 

 「おもちゃを片付けなさい!」

自我が芽生え始め、なかなか言うことを聞かない奈々。私はついカッとなって大声を出してしまっていました。

そんな時、私の脳裏には自分の幼いころが甦りました。両親からいつも「わがまま」「常識がない」と怒られていた私。父にはよく叩かれていました。

 

 (こんな私みたいな人間にならないように、奈々の欠点は今のうちに直しておかないと)

 

 奈々は次第に私の顔色を伺うようになりました。6歳になるころには、外ではとてもいい子に振る舞うのに、家ではちょっとしたことで怒ったり泣いたりするようになりました。時には友達に「何やってんの!」などと、きつい言葉を浴びせることまでありました。私の口調そっくりに……。

 

(どうしよう。だんだん私に似てくる……)

 

 私は、奈々を通して、自分の醜い姿を見せつけられている気がしました。そして、これまで振り返ることを避けてきた自分の過去を、徹底的に反省しようと決意しました。

 

 

生まれてきたときの光景

 私は幸福の科学の精舎、総本山・正心館で、生まれてから今日までを振り返る「生涯反省」研修を受けました。思い起こせば、家にはいつも罵声が飛び交っていました。父母と、同居している父の両親との折り合いが悪かったのです。父は酒を飲むと人が変わり、ささいなことで私を怒りました。

 

 研修の中で行った、自分が生まれた時のことを瞑想する時間。私も目を閉じてそのときに思いをはせました。すると、意外な映像が浮かんだのです。

 

 赤ちゃんの私を、家族全員が囲んで見ています。母も、祖父母も、なんと父までもが、とても嬉しそうにニコニコして心から祝福していたのです。

 

 (みんながこんなに喜んでくれていたなんて──。私は愛されていたんだ!)

 

 喜びで、心の中がいっぱいになりました。

 

 研修から帰った私は、実家の母に気づきを話していきました。思い出話のなかで、母は、ぽつりぽつりと父の生い立ちを話してくれました。私は(お父さんに対するわだかまりを解いて水に流したい)と思い、続けて、幸福の科学の琵琶湖正心館で「両親に対する反省と感謝」という研修を受けることにしました。

 

 

父の心が理解できた

 母から聞いた話をもとに、私は仏の御光を感じながら父の気持ちを考えていきました。

 

 祖父母は、父よりも父の妹をかわいがっていました。そのため、父は愛されていないと思って育ったようです。さらに、長男だからと夢を諦めさせられ、農家を継がされたといいます。

 

 やり場のない思いを、酒に紛らわせていた父……。

 

 (父の気持ちが少しだけわかった気がしました……。不器用な人だから、やるせない思いを誰かにぶつけずにはいられなかったんだ。私がかわいくなくて怒っていたんじゃないんだ。)

 

 父にしてもらったことが思い出されました。お酒を飲まないときの優しい笑顔。海に連れて行ってくれたこと。私が病気のとき、栄養ドリンクを差し入れてくれたこと──。

 

 父は父なりに、精一杯私を愛そうとしてくれていたのです。子ども時代の悔しさや悲しみといったどろどろした感情が涙とともに洗い流されていきました。

 

 私は、無意識のうちに両親への怒りや恨みの気持ちをも含めて、奈々を叱っていたことに気がつきました。

そして、(でも、もうそんなことはしたくない。両親に愛されてきたと分かったんだから、私も愛を与えていこう。子どもを精一杯愛していこう──)

 

 心の底から、そう決意することができたのです。

 

 

奈々を心からいとおしく思えて

 その後、父に会っても心が波立たなくなり、父に対して、「ありがとう」と感謝の言葉が自然に出るようにもなりました。子どもに対しては、以前は欠点ばかり気になっていたのに、ちょっとした仕草を「かわいい」と感じるようになったのです。私は、父との葛藤を乗り越えたことで、奈々のありのままを受け入れられるようになりました。

 

 私はもっと家族を愛していきたいと思い、毎日、家族のよいところをノートに書くようにしました。奈々には素晴らしいところがたくさんありました。素直で明るいところ。集中して本を読むところ。活発なところ。人とすぐ打ち解けられるところ──。

 

 私は奈々の長所を口に出して褒めたり、「大好きだよ」と言って抱きしめるようにしました。

 

 家事の合間には仏法真理の書籍を読み、心を見つめるようにしました。毎日続けていくことで、徐々に穏やかさを保てるようになっていきました。

 

 

親としての成長

奈々は、小学校に上がってから、少しずつ落ち着いてきました。六年生の今では、言葉のきついところも直ってきて、クラスのみんなと仲良くできて、リーダー的役割をするようになっています。

 

仏のお導きにより今の私がいるのだと思います。もし、以前の私のように悩んでいる方がいたら、仏法真理を学んでみませんか。必ず幸せになれます。