我が子の中学受験が
母親である私の成長の
大きな糧となった
息子さんの受験を契機に自分自身の心を見つめ、
心の成長をとげたお母さんの体験をご紹介します。
佐藤 早紀さん(仮名・神奈川県)
長男:まさるくん(仮名・15才) 長女:めぐみさん(仮名・13才)
中学受験!?
受けるべきか、受けないべきか
わが家では、長男と長女が中学受験をしましたが、今回は私にとって大きな糧を得られた長男の受験の話をさせていただきます。
はじめは、私自身「中学受験なんて……」と関心はなかったのですが、周りの子達が、中学受験を目指して塾に通いはじめるようになると、「どうしよう…」と、不安になってきました。
夫やまさる本人に相談した末、「受験しよう」と決めました。まさるが四年生のときです。
五年生になると、塾では週例テストが行われるようになりました。すると、「結果がすべてではない」とわかっていても、テストの点数が低いと、「なぜ、できないの」と爆発。
そのたびに、「しまった!」と思うのですが、子供への期待と落胆が交錯して思うように心が統御できず、いつしか自分に対して苛立つようになっていました。
努力してマイナス思考からプラス思考へ
ちょうどその頃、幸福の科学の集いで、自分の生涯の反省をさせていただく機会があったので、まさるとの関係を振り返ってみました。
どことなくおどおどしたまさるを見るたびに、ふがいなさで幾度もきつくしかってしまったこと、他の人からまさるの欠点を指摘されると、「あなたのせいで、お母さんが悪くいわれる!」と責めてしまったことなど、子供を怒りのはけ口にしていた自分が次々と思い起こされ、涙が流れました。
私はもともと物事の悪い面ばかりが気になる傾向が強かったので、これを機に自分を変えようと、プラスの言葉を出すことから始めました。
まず、朝学校に行くときに、「がんばってね」とか「今日はカッコイイね」などと、必ずほめ言葉を言いました。子供は照れくさそうでしたが、私の方は清々しい気分で一日を送れるようになれました。
受験の終わりは次なる始まり
六年生になると、勉強も追い込みです。年明けには、私が子供のつまずきやすい部分の問題をつくって勉強させ、最後の難題を切り抜けようと一緒に頑張りました。
結果は無事第一志望校に合格。しかし……。喜んだのも束の間、入学して最初の頃は、レベルの高い子に混じって悪戦苦闘の毎日。
一方、その数年後に中学受験をした妹のめぐみは、第一志望校に入れませんでした。残念でしたが、今では「自分の足りないところを学べてありがたい」と言っています。
結局、合否も大切ですが、「新たな環境の中から、何を糧としてつかむかが大切なんだ」と、今回の中学受験で気づきました。
それと、良き言葉を出し続けているうちに、子供を心からほめられるようになり、子供たちも「お母さん変わったね」と、「怒るお母さん」のイメージから、だいぶ変わったようです。
中学受験は、親の負担が大きく大変です。でも、それが、私自身の成長になり、ありがたい機会をいただいたことに深く感謝しています。