熱心なしつけで、
息子の生活習慣が改善した!
最近、「あいさつ」「整理整頓」など、子どもたちに
基本的な生活習慣が身についていないとの声が聞かれ、
家庭でのしつけの大切さが注目されています。
今回は、しつけの大切さに気付いて、
しつけを実践しているお母さんの体験を紹介します。
大野 優香さん(仮名・茨城県) だいくん(仮名・小4)
ご飯を食べ散らかす長男
「おおらかに育ってほしい。」と、願いをこめて名づけたわが家の長男の名前は「だい」。
祖父母にとっても初孫とあって、だいは家族みんなの愛情を一身に受けて育ちました。
そのせいでしょうか、名前の通りおおらかでのびのびとした性格になったまではよかったものの、反面、粗雑でわがままな面も目立つようになったのです。
幼稚園に通う年になっても、ご飯は食べ散らかすわ、使ったおもちゃは出しっぱなし……。
「片付けなさい!」と注意しようものなら、すぐに「いやだ!」とそっぽを向いてしまいます。
「やっぱりしつけって大事なんだ。」
「子どもだからしかたないわね。」と半ばあきらめていた私でしたが、小学校入学の直前に、読んだある本で考え方が変わりました。
そこには、「たとえ子どもであっても、日々、心と行いを正していくことの大切さ」が書かれていたのです。
「やっぱり、だいにも、しっかりとしつけをしなきゃ。」と、私は固く心に決めました。
まず、ご飯の食べ方を教える
だいへのしつけは、ご飯の食べ方から始めました。でも、なかなか思い通りにはいきません。
猫背になって、ご飯粒をポロポロこぼしながら食べるだいに、「姿勢よく、ちゃんと食べなきゃダメよ。」と何度も注意しますが、ちっとも直らず、うわの空。
「いいかげんにしなさい!」と、ついどなってしまった後の食卓は、なんとも後味の悪い夕食になってしまいます。
「どなっても気持ちは伝わらないんだな。」と反省することしきりでした。
そこで私は、感情的に怒ってしまいそうなときにはまず、「怒るのではなく、この子のためと思って叱ろう。やがて必ず理解してくれるはずだ。」と、自分に言い聞かせるようにしました。
そして、大きく深呼吸して心を落ち着かせ、努めておだやかに注意することを心掛けました。
確かに、冷静に注意すればその時はよくなりました。でも次の日になると、すっかり忘れてしまいます。しかし、「ねばり強く言い続けることが大切。」と開き直り、そのつど言って聞かせていきました。
できるまでさせ、よくできたら極力ほめるようにしました。
すると、二、三カ月経つうちに、注意の回数がだんだん減ってきたのです。
また、「姿勢よくして食べると、消化がいいのよ。」などと、理由も説明すると、「そうやなあ。」とだいも納得して、姿勢よく食べるようになっていきました。
二年生になると、私がほとんど言わなくてもすむようになり、三年生の時は、「姿勢よくして食べると、気持ちいいね。おいしいね。」と、だいが自分から言うまでになったのです。
一緒にやり始めた整理整頓
並行して、整理整頓にも取り組みました。
言うだけでは聞かなかっただいでしたが、「一緒にお片づけしようね。」と声を掛けると、しぶしぶながらも片付けをするようになりました。
よく使う物は大きなケースに入れて、部屋の隅に置くなど、片付けやすいように置き場所も工夫しました。
そして「積木はこの箱。ブロックはこの箱。」といった具合に、しまう場所を確認しながら一緒に片づけをしていきました。
文房具も「はさみは引き出しの中」というふうに、しまう場所をきっちりと決めて、「使ったものはもとの場所に返そうね。次に使う人への思いやりだよ。」と何度も言い続けました。
半年くらいは一緒にやりましたが、その後は「のりは二番目の引き出しだったよね?」と促すだけで、自分でもできるようになったのです。
二年生になると、言われなくても自分から進んでやるようになっていきました。
「ボクがお茶碗洗おうか?」
三年生になって、担任の先生から「給食の時に他の子がこぼしたおかずを、だいくんが真っ先に雑巾で拭いてくれたんですよ。」とおほめの言葉をいただいたときには、「あの子もずいぶん成長したものだ。」とつくづく感じました。
今では、私が忙しそうにしていると、「ボクがお茶碗洗おうか?」と声をかけてくれるまでに――。
だいの場合、一つひとつ行いを正していったことで、生活全般に渡って自主的な姿勢や「思いやりの心」が育ってきたようです。
こんなに変わった息子の姿を見るにつけ、しつけの大切さをあらためて感じています。